占領下を生き抜いた3人の女性たちの壮絶な人生と、凄まじい生命力を描いた人間ドラマ
戦後間もない大阪釜ヶ崎を舞台に、生活苦から夜の闇に堕ちていった女性たちが、必死に生き抜こうとした姿を描き、1948年の戦後すぐに公開された溝口健二監督映画「夜の女たち」。
この映画の脚本を元に、演出家・長塚圭史が上演台本・作詞を手掛け、音楽の力で、ミュージカルで、混沌とした時代を生きていかなければならなかった日本人のエネルギー、生命力を描きます。
敗戦により価値観全てがひっくり返り、何が間違っていて何が正しいのかを見失ってしまった迷える人々。怒涛のように流れ込んできた自由の象徴であるアメリカ音楽と、心の奥底にだらりと横たわる勝利を確信したはずの軍歌・・・。思想を、家族を、生きていく術を、全てを失った日本人。
私たちが忘れ去ろうとしている時代を生きた3人の女性の壮絶な人生。
彼女たちを通し、あの時代に改めて向き合うことで、私たちは何を思うのでしょうか。
あらすじ
戦後すぐの大阪、釜ヶ崎。「日没後、この付近で停立または徘徊する女性は闇の女と認め、検挙する場合があります」と札が立っている。大和田房子は焼け出された後、病気の子を抱えて困窮していた。夫は戦地からまだ帰っておらず、両親や妹・夏子は終戦を迎えたものの消息不明になっている。姑や義理の妹・久美子と同居しながら、着物を売り払ってなんとか暮らしている。そこに届いたある知らせに絶望する房子。その後、ダンサーとなった夏子と偶然再会する。
原作
久板栄二郎
映画脚本
依田義賢
上演台本・演出
長塚圭史
音楽
荻野清子
出演
江口のりこ、前田敦子/伊原六花、前田旺志郎、北村岳子、福田転球/大東駿介、北村有起哉
石橋徹郎、中山義紘、入手杏奈、山根海音、篠崎未伶雅、山口ルツコ、小熊綸、加瀬友音
演奏
岸徹至(バンドマスター・ベース)、近藤淳(リード)、奥村晶(トランペット)、阿部寛(ギター)、BUN Imai(ドラム&パーカッション)
お問い合わせ
北九州芸術劇場
TEL 093-562-2655 (10:00~18:00)
備考
主催/(公財)北九州市芸術文化振興財団
共催/北九州市
助成/文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会