医療機関のパワーゲームを通して現代の縮図を描いた話題作、日本初演!
2019 年にロンドンにて初演、ザ・ガーディアンをはじめとする各紙で最高評価を獲得し絶賛され、翌年2020年には英国で最も権威あるローレンス・オリヴィエ賞「Best New Play(作品賞)」「Best Actress(女優賞)」ノミネートを始め、イギリス演劇賞各賞に輝いた注目の話題作「ザ・ドクター」の日本初演が北九州に登場します。
本作は、ある少女の死をきっかけに、医療研究所の所長であるエリート医師のもとに、宗教・ジェンダー・階級差などあらゆる社会問題が降りかかり、医師としての自分を見つめ直していく社会派現代劇です。演出は「ゲルニカ」を第28回読売演劇大賞優秀作品賞に導いた栗山民也、主演には名実ともに日本を代表する大女優大竹しのぶを迎えるほか、橋本さとし、村川絵梨、橋本淳、宮崎秋人、那須凜、天野はな、久保酎吉、明星真由美、床嶋佳子、益岡徹ら実力・人気を兼ね備えた俳優達が結集し、現代の苦悩と縮図を魅力的に描き出します。
あらすじ
イギリス最高峰の医療機関・エリザベス研究所。その創設者であり、所長のルース・ウルフ(大竹しのぶ)は、訳あって自ら妊娠中絶を行い、敗血症で運び込まれた14歳の少女を看取ろうとしていた。そこに「少女の両親から傍についていてほしいと頼まれた」というカトリックの神父、ジェイコブ・ライス(益岡徹)が現れる。神父に対し、ルースは面会謝絶を告げて、集中治療室への入室を拒否する。若手医師(那須凜)から少女の容態の急変を知らされ、同僚の医師ポール・マーフィ(橋本淳)やマイケル・コプリ―(宮崎秋人)と手を尽くすが少女は死を迎える。少女の死に立ち会えなかった神父は、典礼を拒絶されたとして怒り、この出来事を公にすると告げて去る。ほどなく、このことはインターネットから発信され、研究所の出資者の耳にも入ってしまう。
ブライアン・シプリアン教授(久保酎吉)や、広報担当のレベッカ・ロバーツ(村川絵梨)は、ルースへの批判を不当なものとして、相手にはしていない。だが、次期所長の座を狙う野心家ロジャー・ハーディマン教授(橋本さとし)やマーフィらは、一部の出資者たちが怒っていることを問題視。それでも毅然と「自分に落ち度はない」と主張するルース。その姿勢は、自身の元教え子で保険担当大臣のジェマイマ・フリント(明星真由美)からも支持されたように見えた。しかし、彼女を断罪しようとする出資者の動きにより、世論は激化。信仰、人種、ジェンダー……、アイデンティティの違いもあいまって、医師たちもまた医学上、宗教上の主張により対立。研究所内の分断は深まり、パワーゲームは白熱していく……。
自宅では、パートナーのチャーリー(床嶋佳子)や近所に住むサミ(天野はな)と心を通わせ、自分を見つめ直すルース。自分を取り戻した彼女は医師としての信念を貫くことを決意。自分を責め立てる人々が待ち受ける、テレビのディベート番組への出演を決める——。
作
ロバート・アイク
翻訳
小田島恒志
演出
栗山民也
出演
大竹しのぶ/ 橋本さとし、村川絵梨、橋本淳、宮崎秋人、那須凜、天野はな、久保酎吉/ 明星真由美、床嶋佳子、益岡徹
お問い合わせ
北九州芸術劇場
TEL 093-562-2655(10:00~18:00)
備考
企画・製作/パルコ
主催/(公財)北九州市芸術文化振興財団
共催/北九州市