現代演劇の金字塔が、新演出と個性豊かなキャストで北九州に初登場!
戦後を代表する劇作家・秋元松代の代表作であり日本演劇界の金字塔とも言われる「近松心中物語」。そのシンプルで力強い言葉と、故・蜷川幸雄の劇的な演出による観客からの圧倒的支持で、初演以来1000回を超え上演されてきた本作が新演出で北九州に初登場!元禄時代の境遇の違う二つの恋の情景を華やかに描き人気を博す物語を、演出家・長塚圭史が格差や価値観の相違が広がる現代に問いかける戯曲と捉え、新たに創りあげます。
出演には田中哲司、松田龍平、笹本玲奈、石橋静河ら話題作へ多数出演し注目を集める4名ほか朝海ひかる、石倉三郎など実力派俳優陣が集い、19名の溢れる個性と共に物語を紡ぎます。また、音楽は昨年デビュー30周年を迎えたラップグループ、スチャダラパーが手がけ“ラップ×近松心中物語”という異色の組み合わせを実現。
コロナ禍を経て、新たな格差や価値観の相違が拡大し続ける現在。元禄時代の二つの恋が、2021年を生きる人々へ問いかけるものとは?
【長塚圭史コメント】
元禄の世に咲いた境遇の違う二つの恋の情景は、格差を問われる現在により深く突き刺さります。
この戯曲の煌びやかさの本性を改めて炙り出し、台詞の深淵を紐解いて、現在ここに追い詰められた生の肉体を描き出したいのです。
金に追い詰められる忠兵衛と梅川のあまりに切ない境涯と、裕福ながらも自ら堕ちることに愛を見出す若いお亀の純真。そしてそうした世間と折り合いがつかぬかのようにこの情景を心に留めて次代へ繋がってゆく与兵衛。この四人の人間模様を現代に抽出したい。
神奈川県が生んだ稀代の劇作家秋元松代の代表作。KAAT神奈川芸術劇場初のシーズン制、演出第一弾に決めたことは必然と言って過言ではありません。
近松門左衛門の浄瑠璃から元禄の人間模様を力強く現在に描き出した秋元戯曲の台詞の力を体現出来ればと。
公演トレイラー
あらすじ
物語は元禄時代、大阪・新町(遊郭街)で始まる。
真面目な飛脚屋亀屋の養子・忠兵衛は、新町の遊女・梅川に出会い、互いに一目で恋に落ちる。
梅川に、さるお大尽からの身請け話が持ち上がる。
金に困った忠兵衛は、幼馴染みの古道具商傘屋の婿養子・与兵衛に金を借りにいく。与兵衛が快く貸してくれた50両で、梅川の身請けの手付金を払い安堵する忠兵衛と梅川の元に、大尽からの身請けの後金300両が届いてしまう。一方お人よしで心優しい与兵衛は、与兵衛に恋い焦がれる女房のお亀、舅姑とともに、大店の婿養子として身の置き所のない想いを抱いて暮らしていたのだった。
忠兵衛と梅川/与兵衛とお亀。華やかな元禄の世に生きる境遇の違う男女二組。
恋い焦がれる人と共にいるために心中を選ぶ、それぞれの恋を描く…。
作
秋元松代
演出
長塚圭史
音楽
スチャダラパー
出演
田中哲司/松田龍平、笹本玲奈/石橋静河
綾田俊樹、石橋亜希子、山口雅義、清水葉月、章平、青山美郷
辻本耕志、益山寛司、延増静美、松田洋治、蔵下穂波
藤戸野絵、福長里恩/藤野蒼生(子役Wキャスト)
朝海ひかる、石倉三郎
お問い合わせ
北九州芸術劇場
TEL 093-562-2655 (10:00~18:00)
備考
企画・製作/KAAT神奈川芸術劇場
主催/(公財)北九州市芸術文化振興財団
共催/北九州市
助成/文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会