ダンス、演劇--領域を超え、舞台芸術の可能性を更新する
ダンスと演劇の境界を軽やかに越境し、身体と言葉が交錯することで生まれる思考の空間を描き出す意欲作。
作・演出は、現代演劇の第一線で活躍する岡田利規。出演は、中村恩恵、酒井はな、島地保武、入手杏奈といった実力派ダンサーに、俳優の矢澤誠、気鋭の音楽家小林うてなが加わります。
哲学者・鷲田清一の、所有の概念をめぐる刺激的論考『所有論』(2024) に触発されて構想された本作。ダンス、ダンスを審査すること、身体の所有、といった論点を作品の中で展開していきます。抽象的・哲学的な思考を出発点とする、身体とユーモアを駆使した探求です。
本作は2025年9月に愛知県芸術劇場で初演後、岡田利規がアーティスティック・ディレクターを務める舞台芸術祭「秋の隕石2025東京」のオープニングを飾りました。その後高知・上田公演を経て北九州で全国ツアーの最後を締めくくります。ダンサーがしゃべり、俳優が(ミュージシャンも?)踊る、ジャンルを超えた創造の最前線をどうぞお見逃しなく。
※本公演は、静かにするのが苦手・じっとしているのが難しい方にも楽しんでいただけるようにリラックスした雰囲気で行います。
*関連企画:酒井はなによるダンス・バレエワークショップを開催!詳細は後日劇場HP・SNS等でお知らせいたします。
作・演出・振付
岡田利規
振付・出演
中村恩恵、酒井はな、島地保武、入手杏奈、矢澤誠 / 小林うてな
コメント
ダンスの審査会に臨むダンスの審査員たちを描くダンス作品兼演劇作品である「ダンスの審査員のダンス」は"所有" というテーマを扱う。ひとがその身体を用いて手に入れたりつくり出したりしたものはそのひとの所有物である、なぜならその身体はそのひとの所有物だから、というジョン・ロックの理屈を、ダンスという身体の芸術形式に適用してみたら、滑稽なことになるのじゃないか? もっとも、これはダンスに限った話じゃない。所有という、この世界をとてつもなく強力に規定している概念に、わたしたちは誰しもからめ取られ、振りまわされている。つまり、振り付けられている。そういうダンス、であるさまを描く演劇、としてのダンス。
──────────── 岡田利規
お問い合わせ
J:COM北九州芸術劇場
TEL 093-562-2655(10:00~18:00)
備考
製作/愛知県芸術劇場(公益財団法人愛知県文化振興事業団) 、舞台芸術祭「秋の隕石」(東京舞台芸術祭実行委員会〔東京都、東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)〕)
共同製作/Dance Base Yokohama(一般財団法人セガサミー文化芸術財団)
助成/一般財団法人地域創造、ダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ&アーペル
協力/株式会社 precog
「地域創造連携プログラム」連携館:
愛知県芸術劇場、 高知県立美術館、 サントミューゼ、 北九州芸術劇場
主催/(公財)北九州市芸術文化振興財団
共催/北九州市