「移民」とは「難民」とは?国の未来に一石を投じる注目作!
若手の視点で前衛的な作品を発表し続けている気鋭の劇作家・演出家のピンク地底人 3 号と、第31回読売演劇大賞優秀演出家賞、令和5年度芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した演出家の生田みゆきが「移民」をテーマに手がける注目作!
「多文化共生」の取り組みは永らく続けられてきた。
しかし現実的に人種差別、ジェンダー差別、宗教差別、言語差別等は日常的に起きている。
果たして真に共生は可能なんだろうか。
都市部だけでなく日本全体の問題であろう。
また少子化対策として移民の受け入れは喫緊の課題。
川口市の「クルド人問題」をはじめ「移民」と「難民」の区別さえままならない私達の未来は?
「社会」の「未来」を映す『燃える花嫁』にぜひご期待ください!
あらすじ
架空の日本。多くの難民が暮らす第4地区で、在日外国人のキリノユウスケは解体業を営みながら、姉のカナエ、娘のアカリと慎ましやかに暮らしていた。ある日、彼らの事務所に、第 13 地区から出稼ぎに来ていたミドリカワマキというトラックドライバーが現れる。日本人でないという理由で進学もままならないアカリは自由に生きるマキに心惹かれる。 一方、入国管理局が難民受け入れの制限を始めたことで、在日外国人と日本人との間で激しい衝突が起こり始める……
作
ピンク地底人 3 号
演出
生田みゆき
出演
みのすけ、松本紀保、清水明彦、鬼頭典子、平体まひろ、森尾舞、西山聖了、山下瑛司
コメント
ピンク地底人 3 号
「演劇」は「社会」を映す鏡だから、「社会」を描けば自ずと「演劇」になる。ただ、いつも思うのだけれど「社会」を描くだけでは足りなくて、「演劇」はやはり「社会」の「未来」を描くものだ。その「未来」が良いものであろうと悪いものであろうと。どうぞご期待ください。
生田みゆき
入管での暴力的な行為や、日本の難民認定数の低さ、外国人に対するヘイトデモ…そういうものを見聞きするたびに、何故人間が同じ人間に対してこうも非人道的になれるのか、と憤りを感じます。一方、高校の時にホームステイしたオーストリアの家族のもとを数年前に訪ねた時に、街を歩く人の見た目や話す言葉が明らかに変化していて、私自身戸惑ったこと、そしてホストマザーが「あの人たちはルールを守らず、治安が悪くなった。この街からさっさと出て行ってほしい」と吐き捨てるように言っていたことも思い出されます。また自分自身が「外国人」としてオーストリアに暮らした時に、私を仲間として受け入れてほしいという思いと同時に、私は違う文化圏の人間だ、と同化を拒む気持ちもありました。世界で紛争が起き、難民や移民の数が増え続ける中、私たちが様々な形で直面せざるを得ないこれらの問題から浮かび上がる人間の美しさも醜さも、全て描き出せたらと思います。
お問い合わせ
北九州芸術劇場
TEL 093-562-2655(10:00~18:00)
備考
主催/(公財)北九州市芸術文化振興財団
共催/北九州市