実力派キャストを迎え、現代に問う意欲作!
ギリシャ神話を題材にした、フランスの劇作家ジャン・アヌイの代表的悲劇作品が、栗山民也の演出のもと、岩切正一郎の新訳・豪華俳優陣の競演でこの現代によみがえる!
父との別れ、兄との別れ。全ては王座争いが招いた醜い争い。そんな世の中に立ち上がり、自分の良心にまっすぐに従い、懸命に自分を貫き通したアンチゴーヌ。その彼女に待ち受けていた運命とは?
アンチゴーヌ役は蒼井優、クレオン役には生瀬勝久がキャスティングされ、共演には梅沢昌代、伊勢佳世、佐藤誓ら実力派俳優陣が脇を固めます。壮絶なドラマに、どうぞご期待ください!
あらすじ
アンチゴーヌ(蒼井優)は、反逆者として野ざらしにされていた兄の遺体に弔いの土をかけたことで、捕えられてしまう。王クレオン(生瀬勝久)は一人息子エモンの婚約者である彼女の命を助けるため、土をかけた事実をもみ消す代わりに、遺体を弔うことを止めさせようとする。だが、アンチゴーヌは、「誰のためでもなく、自分のために」と、法に背いても自分を貫こうとする。兄を弔うことを止めず、自分を死刑にするようクレオンに迫るアンチゴーヌだが……。クレオンは、国の秩序を守るため、苦渋の決断を下す。
作
ジャン・アヌイ
翻訳
岩切正一郎
演出
栗山民也
出演
蒼井優、生瀬勝久、梅沢昌代、伊勢佳世、佐藤誓、渋谷謙人、富岡晃一郎、高橋紀恵、塚瀬香名子
キャスト・スタッフコメント
蒼井優
ちょうど10年前にこの戯曲に出会い、今まで何度も読み返して来ました。あるセリフをどうしても生で聞きたいと思っていたのですが、まさかそれを自分が口にすることになるとは。
栗山さんとは「あわれ彼女は娼婦」でご一緒させていただき、生瀬さんとは「楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき」で、演出家と役者という立場でお会いしました。なので、お芝居をさせていただくのは初めてです。
尊敬するお二方を始め、スタッフ、キャスト皆さんと稽古できることが嬉しいです。本番思い切り楽しめるまで、稽古を頑張ります。
生瀬勝久
今回共演する蒼井さんとは、『楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき~』(09年)という芝居で、演出家と女優という立場でご一緒しているので、非常にやりづらいです(笑)。演出家として偉そうなことをずっと言いましたから、「なんでこんなお芝居をする人に……」と言われないように頑張ります。
演出の栗山さんとは2作品でご一緒しているので、栗山さんを信じて演じるという図式はもう出来上がっていると思っています。また、この作品には力強い台詞がたくさんあるので、その台詞に負けないような芝居に自分をどう持っていけるか。毎回そうですが、自分のできることを精いっぱいやるということですね。
栗山民也
「アンチゴーヌ」に出会う
随分まえからソフォクレスの「アンチゴーヌ」が好きで、何度も読み返し、いつか舞台化したいと思っていた。それから時が過ぎ、フランスの劇作家であるジャン・アヌイの翻案した「アンチゴーヌ」と出会った。ひどく面白かった。すぐにでも舞台に立ち上げたくなるほどの熱い言葉の熱が、そこにはあった。
絶対的な関係にある二つの精神が、一つのテーマで向き合いぶつかる。そこに激しく歪んだ世界が見えてくる。厳重に管理された国家という装置のまえで、「個」が無残にも壊されていく。だが、その「個」である一人の少女の声は、強い意志で、遠くギリシャの神話からわたしたちへと響く。今の混沌とした時代を鏡に映し、この永遠に続く積極的な問いを、考えてみようと思う。
お問い合わせ
北九州芸術劇場
TEL 093-562-2655(10:00~19:00)
備考
主催/(公財)北九州市芸術文化振興財団
共催/北九州市
助成/平成29年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業