しかけて
しかけられて
無駄に動いて
無意味に動いて
だまされて
イデビアン・クルー主宰、振付家・井手茂太が、北九州に滞在してオーディション選抜ダンサーと本気の作品創作に挑む!DDW5年目にして始動した北九州芸術劇場オリジナルダンスカンパニーによる完全オリジナルの新作。オーディションで選ばれたダンサーたちが巻き起こす新たなムーブメントにご期待下さい!
振付・演出
井手茂太
出演
江原千花、片山敦郎(FLAG/富む平原)、谷口美咲子、鉄田えみ(太めパフォーマンス)、乗松薫(太めパフォーマンス)、松藤千弘、山本泰輔、山本梨乃
井手氏インタビュー
――まずは、オーディションの感想をお聞かせください。
今回は「北九州でつくる」という作品ですが、ダンサーは地元に限らず全国各地からやる気のある人が集まってくれればと思っていたので、県外からもたくさん挑戦してもらえて大変嬉しかったです。
オーディションはワークショップ形式で進めて行きました。なるべく1人1人としっかり向き合う時間を持ちたかったので、グループと1対1といった2つの方法で実施しました。舞台や映像の振付依頼での仕事にあるようなピリピリしたムードのオーディションとはまた違い、少人数でなごやかにのびやかにできたのがよかったです。
――今回の作品「ギミック」は、どんな作品になりそうでしょうか?
ワークショップの成果発表としての公演という形は過去にもやったことがありますが、今回は純粋なクリエイション作品として取り組みます。タイトルは「ギミック」=仕掛け、といった意味。今回の作品では、派手なカラクリでそれを表現するのではなく、シンプルで物を使わない表現で行こうと思っています。
例えば、オチまで全部説明してしまうような「ちゃんちゃん」という見せ方ではなく、「ちゃん」を1つのところまでしか提示しないことでお客さんが「ちゃん」とつっこむようなものを創りたいと思っています。作品から予想できる結末の一歩前、で終わるイメージ。
――井手さんは佐賀県ご出身ですが、いま地元九州でクリエイションすることについて、どのようなモチベーションをお持ちですか?
実は、今まで両親に自分の舞台作品を生でみせたことがなかったんです。いつかはと思っていたものの、とうとう一度もみせることのないまま、父は最近他界してしまいました。もうみせることはできないけれど、九州の土地でできるというのが、気持ちとしていいタイミングだったかなと思っています。
また、イデビアン・クルーはずっと東京で活動してきましたが、なぜこれまで東京でやってきたのかということについて考えるきっかけにもなると思いました。
――この企画は若手ダンサーの育成という使命も担っています。8名の出演者には、どんな風に取り組んでもらいたいですか?
今回、ただ言われたことをやるだけでなく、自分からどんどん発信して、積極的に取り組んでいけるメンバーが集まっているので、自分のペースではないある意味とても刺激的な現場になるのではないかと思っています。
クリエイションの現場では、作品をつくる上での答えなどないし、無限にやり方があるという状況の中で、たくさん出るアイディアを「今回これでいこう」と裁量していきます。なので、自分なりの意見を考えて出し合えるという環境はとても重要。今回使われなかったとしても、そこで出たピースやアイディアは経験として自分の中にストックできる。それらをどんどん共有して、この先使っていってもらいたいですね。
お問い合わせ
北九州芸術劇場
TEL 093-562-2655(10:00~19:00)
備考
主催/(公財)北九州市芸術文化振興財団
共催/北九州市
助成/平成29年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
企画・製作/北九州芸術劇場