「蜷の綿-Nina's Cotton-」公演延期に関するお詫び
「蜷の綿-Nina's Cotton-」は、演出家・蜷川幸雄氏の体調不良に伴い公演を延期する事となりました。
蜷川氏は1月上旬よりさいたま芸術劇場での稽古に向けて療養を続けておりましたが、体力の回復が十分でないため協議を重ねた結果、公演を延期すべきとの結論に至りました。
本公演を楽しみにされていたお客さまには大変申し訳なく、心よりお詫びさせていただきます。
このたびの不測の事態につきまして皆さまには大変ご迷惑をおかけいたしますが、どうかご理解のうえ、引き続きご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
《蜷川幸雄氏コメント》
『蜷の綿-Nina's Cotton-』は、50歳離れた藤田貴大さんが時間をかけてぼくのことを戯曲に書き上げてくれました。恥ずかしい気持ちはあるのですがとても面白いので、演出しようと決意していただけに、悔しい気持ちでいっぱいです。早く回復して劇場に戻ります。
《藤田貴大氏コメント》
蜷川さんが「やはり現場に来て、自分が演出をしたい」とおっしゃったのは、とてもポジティブなことだと、ぼくはおもいました。稽古初日に彼の姿はなかったのです。彼が不在のまま、作品が進んでいこうとしていました。
作品がいちばん良い状態でつくられていくこと、すなわち彼自身が演出を施していくことを、やはり彼は選んだわけです。
『蜷の綿』は彼自身の物語です。
長い時間をかけて、ぼくが彼にインタビューをしながら書き進めてきた作品です。ここ最近の彼の姿を見つめながら、ぼくが感じたことも正直に書いています。
「自分自身の身体が、だんだん自分の作品が存在する場所に行かせてくれなくなった」
彼は、そんな現実のなかで葛藤しています。身体はもうとっくに、ぼくらが想像できないくらい苦しいはずなのに、演出家としての彼はまだまだつくりたいともがいている。
だから、「やはり現場に来て、自分が演出をしたい」とおっしゃったのを聞いて、とてもうれしかった。彼が用意してくれたこんなにも大切な時間のなかで、ぼくは彼を待っていたいとおもいました。
『蜷の綿』という作品においては、ぼくもマームとジプシーも蜷川チームに付随するものだという自覚があります。チームの方針に合わせながら、ぼくらも動いていきたい。
彼がまた稽古場に戻ってくることができて、作品づくりの環境が整ったら、ぼくらも再始動します。その日まで、きちんと準備を進めていきながら、待っています。
みなさまへ
マームとジプシーの藤田貴大です。
四月に、北九州にて「蜷の綿」という作品を公演するはずでしたが、それが叶わないということになってしまいました。
たいへん、申し訳ございません。
ひさしぶりの北九州での公演ということで、たのしみにしていました。
しかし「蜷の綿」は蜷川幸雄さん自身のことを描いた作品なので、ぼくらだけが公演していくということはできないとおもいました。
彼の回復を、作品といっしょに待ちます。
マームとジプシーの作品が、近いうちに北九州のみなさんと出会えますように。これから実現に向けて、準備していきたいとおもっています。
1.21 藤田貴大
2016年1月22日(金)10:00
北九州芸術劇場