人間の根源にこだわって作品を創り上げてきた天児牛大が提示する、透徹した美の世界
舞台一面にゆらめく蓮の葉。仮想の水面、水鏡に交差する光と影、そのはるか下で呼吸する生命たち。世界40カ国以上で活躍する、日本を代表する舞踏カンパニー・山海塾による、透徹した美のステージにご期待ください。
公演評
日本の振付家、山海塾天児牛大の作品を観終わっても観客たちはすぐに出口に向かおうとはしない。むしろそれは存在と、詩を探求する男との出会いであり、20年以上にもわたって我々に開かれた、居心地の良い瞑想の空間なのだ。彼のきわめてきめ細かな動きの中に、観客たちは無意識のうちに吸い込まれる。催眠と覚醒の間で、感受性の鋭い観客たちを、ダンスの神秘の核心へと誘う不思議なプロセス…この非常に日本的な繰り返し作業の中で、天児は時に重く、また時に軽く、物質的でありかつ非物質的でもある比類なきその存在をさらに洗練されたものにしている。ゆっくりと腕を上げ、控えめに腰をひねった状態で腕を前に伸ばす個性的な様子を見ているだけで、人間の動きの根源をそこに見出すことができる。ぴくっと一瞬に身体を緊張させるとき、彼の真のエネルギーがかすかにかいま見える。…装飾を最小限に抑えた舞台はそれゆえになお一層荘厳な美しさを持っている。…7人の踊りはさまざまな解釈が可能である。静かな動きの天使の姿と引きつった作り笑いを浮かべた魔女たち、男性的あるいは女性的、官能的でありまた一方でエロチシズムを越えた存在、そうした彼らに我々は魅了される。(ル・モンド)
演出・振付・デザイン
天児牛大
音楽
加古隆、吉川洋一郎
舞踏手
天児牛大、蝉丸、竹内晶、市原昭仁、長谷川一郎、松岡大、石井則仁
お問い合わせ
北九州芸術劇場
TEL 093-562-2655
備考
主催/(公財)北九州市芸術文化振興財団
共催/北九州市