今年のテーマは「文豪」!!
2005年より実施してきたNext Generation's Theater(通称NGT)も今年で最後となります。次世代の若手クリエーターに更なる活躍をと「場」を用意し、若手カンパニーと北九州芸術劇場が共に作品を作り上げてきました。その最後となる年に、芝居の原点である戯曲を強化してもらいたい、と考えました。俳優もスタッフワークももちろん大切ですが、芝居はまず骨格となる「戯曲」が何よりも重要です。そこで1つの試みとして「文豪の作品を原作とする」というテーマを与えてみました。過去の偉大なる作品をベースに戯曲をおこし、さらにその戯曲に対してドラマドクターの指導を入れることにしました。ドクターは劇団太陽族の岩崎正裕氏に依頼し、若手作家と戦ってもらうことにしました。文豪や岩崎氏との対決で若手クリエーターたちがどう変容していくのか、その成長に期待したいと思います。
STORY&INFORMATION
「なんだか僕の一生も、一段落のついたのを、どこかで感じていたよ。」
一面真っ黒なその世界は、白の線で区分けがなされている。それは家の間取り図のようにも、また、どこかの町の地図のようにも見える。僕はそんな色彩を失った世界で生活している。そして眠れば決まってひどく色彩のある奇妙な夢を見る。夢と現実の狭間で、僕の神経はもうすっかり衰弱しきっていた――。
芥川龍之介の晩年の作品「歯車」を題材に、生と死、現実と夢と妄想を描いた、奇妙な物語。
原作
芥川龍之介「歯車」「河童」「夢」
作・演出
藤本瑞樹
庭の全作品の作・演出を手がける。笑える・ズレている・奇妙などといった色々な「おかしさ」にこだわり、ユーモラスな人々やその生活を画く。作品の物語性を重視しており、言葉を丁寧に扱う演出で、作品世界を淡々と立ち上げる。舞台上から具体的なものを極力排除し、観る者の想像力を刺激する手法で、庭特有の奇妙な雰囲気を創り出している。
ドラマドクター
岩崎正裕
出演
河村裕子、葉山太司(飛ぶ劇場)、梅田剛利(劇団翔空間)、吉本あゆみ、今井貴之、野口和夫 ほか
スタッフ
舞台監督/森田正憲(F.G.S.) 舞台機構/奥武宏起☆ 照明/太田勝之(SAM)
音響/塚本浩平☆ 音響操作/雑賀慎吾☆ 音楽/泊達夫 美術/河村裕子、藤本瑞樹
宣伝美術/筥松新町現代芸術研究会 制作/藤本由紀子、藤本瑞樹、河村裕子
(☆北九州芸術劇場)
お問い合わせ
北九州芸術劇場
TEL 093-562-2655
備考
主催/(財)北九州市芸術文化振興財団・北九州芸術劇場
共催/北九州市・北九州市教育委員会
企画・製作/北九州芸術劇場