馬をくれ、馬を!馬のかわりにわが王国をくれてやる!残虐な手口で王位へと駆け上がるリチャード、その先にあるものは・・・
『リチャード三世』は舞台で観たことはありましたが、戯曲を初めて読んだときは、「登場する人間関係がまったく分からない!」というものでした。そりゃあそうです『リチャード二世』から始まる約百年もの壮大な歴史物語なのですから。そこで、ばら戦争の始まりから読み進み『リチャード三世』にたどりつく。登場人物の過去が分かった上でのリチャード三世の生き様はとても面白い。己の野望のためには、自分の味方や身内であろうと血も涙もなく冷酷に次々と亡き者にして行く策略家、しかも国王となった彼の今際には「馬のかわりにわが国をくれてやる!」というとんでもない言葉を発して滅びるつかの間の王。いつの時代にも現れるかも知れない独裁者だったのか、それとも・・・・。(山崎清介)
作
ウィリアム・シェイクスピア~小田島雄志翻訳による~
脚本・演出
山崎清介
出演
伊沢磨紀、福井貴一、佐藤誓、間宮啓行、彩乃木崇之
戸谷昌弘、明楽哲典、大内めぐみ、若松力/山崎清介
お問い合わせ
北九州芸術劇場
TEL 093-562-2655