ボケとプライド、傲慢と弱気を揺れ動くワンマン座長と、我こそが座長の唯一の理解者と信じ、仕えたドレッサーの孤軍奮闘はこうして幕があく・・・
1942年。第二次世界大戦下のロンドン郊外、戦火に荒れ果てた辺鄙な劇場。忠実な劇団員たちからは「サー」と呼ばれる年老いた座長(平幹二朗)が、彼にとって227回目となる『リア王』の開演を目前に控えている。しかし、彼は錯乱状態。座長夫人(松田美由紀)、そして二十年近く劇団に打ち込んできた舞台監督のマッジ(久世星佳)は協議の結果、公演中止という結論を出したが、頑固にも「幕を開ける」と言う。今夜、何としても『リア王』を上演しなければならない・・・。かくしてドレッサー、ノーマン(西村雅彦)の孤軍奮闘が始まる。
しかし座長は、虚脱状態から抜け出すことができず、おびえる哀れな老人のままだ。必死になって『リア王』の準備をさせようとするノーマン。刻々と迫る開演時間に焦るノーマン。突然泣き出したり、弱気になる座長をなだめたり、軽くあしらったりとあらゆる方法で公演を成立させようと奔走する。開演30分前。孤軍奮闘のノーマンはどうにか準備をすませ、あとは開演のベルをまつばかりとなるが・・・。
作
ロナルド・ハーウッド
訳
松岡和子
演出
鈴木勝秀
出演
平幹二朗、西村雅彦、松田美由紀、久世星佳、勝野雅奈恵、渕野俊太、加瀬竜彦
スタッフ
美術/レイチェル・ホーク 音楽/横川理彦 照明/沢田祐二 衣裳/前田文子
音響/井上正弘 ヘアメイク/高橋功亘 演出助手/長町たず子 舞台監督/徳永泰子
お問い合わせ
北九州芸術劇場
TEL 093-562-2655