夕顔・末摘花・紫の上・葵の上・朧月夜の君・六条御息所・女三の宮…。白石加代子の「源氏物語」は、光源氏をめぐる女人群像を一人一人まとめあげて再構成し、一晩のエンターテイメントになっています。
千年の昔からわたしたち日本人の心を育て、美の基準となってきた<最大・最高の物語>への挑戦です。瀬戸内寂聴のチャーミングな現代語訳を中心に、多くの<原文>をはさんで、古典日本語の美しさを満喫していただきます。注釈などを“語り”の中に織り込み、聴くだけですべてがわかり、難解なところがありません。
さて、今回は「源氏物語」の白眉というべき、「若菜上下」を中心に、40歳という男盛りの源氏が絢爛豪華な物語を展開します。白石加代子と共に「源氏物語」の世界に迷い込む…もしかしたら、あまりにも魅力的で、面白くて、帰りたくなくなるかも。
光源氏40歳にして、14歳の女三の宮を正室に迎える。苦悩に耐えつつそれを受け入れる紫の上。儀礼的な結婚で得た妻女三の宮は、柏木と通じ不義の子をもうけ、源氏を置き去りにして出家。永年の恋人、朧月夜の君も源氏に計ることなく出家、そして、紫の上までもが…。この若菜上下は、艶熟した男と女の、源氏をめぐる「愛」の物語である。
台本構成・演出
鴨下信一
出演
白石加代子
お問い合わせ
北九州芸術劇場
TEL 093-562-2655
備考
主催/(財)北九州市芸術文化振興財団