剥き出しで、生きる。古典の名作を再解釈した新たな音楽劇が北九州に初登場!
現代における歌舞伎演目上演の可能性を発信する木ノ下歌舞伎が、北九州芸術劇場に約7年ぶり待望の再登場!
「摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)」は説教節「しんとく丸」や「愛護の若」を元にし、人形浄瑠璃、歌舞伎、文学、演劇と時代により形を変えながらも古来より脈々と語り継がれてきた名曲、物語です。古来より日本人が持つ死生観、聖俗への畏れ、都市の姿とそこで生きる人々の剥き出しの「生」……、木ノ下歌舞伎版では主宰・木ノ下裕一とFUKAIPRODUCE羽衣の糸井幸之介が原作のもつ世界観を根本から読み解き、 “いま語り継ぐべき物語”として上演台本を共同執筆、再構成しました。
初演・再演で主人公・玉手御前を見事に演じ喝さいを浴びた内田慈、糸井に「ポテンシャルの塊」と言わしめた土屋神葉など、2020年再演時のキャストがふたたび集結し、都市に生きる人々の「生」を露わに映し出します。
あらすじ
大名・高安家の跡取りである俊徳丸は、才能と容姿に恵まれたがゆえに異母兄弟の次郎丸から疎まれ、継母の玉手御前からは許されぬ恋慕の情を寄せられていた。そんな折、彼は病にかかり、家督相続の権利と愛しい許嫁・浅香姫を捨て、突然失踪してしまう。しばらくして、大坂・四天王寺に、変わり果てた俊徳の姿があった。彼は社会の底辺で生きる人々の助けを得ながら、身分と名を隠して浮浪者同然の暮らしをしていたのだ。そこに現れる、浅香、次郎丸、玉手と深い因縁を持つ合邦道心。さらに、誰にも明かせない秘密を抱えたまま消えた玉手が再び姿を見せた時、物語は予想もしない結末へと突き進む。
『摂州合邦辻』とは
安永2年(1773年)に大坂で初演された菅専助作の浄瑠璃作品。古くから民間に伝わる「しんとく丸伝説」を下敷きに、能の『弱法師』や説経節の『しんとく丸』『愛護の若』などの要素を複合させた脚色が施され、人気を博した。主な役名に実在の地名を当てはめるなど、舞台である大坂との繋がりを意識した内容になっている。
作
菅専助、若竹笛躬
監修・補綴・上演台本
木ノ下裕一
上演台本・演出・音楽
糸井幸之介(FUKAIPRODUCE羽衣)
出演
内田慈、土屋神葉、谷山知宏、永島敬三、永井茉梨奈、飛田大輔、石田迪子、山森大輔、伊東沙保、西田夏奈子、武谷公雄
お問い合わせ
J:COM北九州芸術劇場
TEL 093-562-2655 (10:00~18:00)
備考
主催/(公財)北九州市芸術文化振興財団
共催/北九州市
企画制作/ロームシアター京都、木ノ下歌舞伎/一般社団法人樹来舎
製作/ロームシアター京都
共同製作/穂の国とよはし芸術劇場PLAT、KAAT神奈川芸術劇場