世界から注目される俊才・宮城聰が描く、現代の“寿歌”とは―?
1979年の発表から様々な形で上演され続ける名作、「寿歌」。戦後の現代日本演劇史に燦然と輝く北村想の代表作が、SPAC芸術総監督の宮城聰とのタッグで「今」に蘇ります。
核戦争後の荒野を歩く旅芸人2人、ゲサクとキョウコ。
風の中から現れたヤスオと名乗る男。
核戦争で廃墟と化した世界を放浪する男女3人の物語を、近未来的な世界観がまさに現実に迫る今、新たな演出で上演。ご期待ください。
事前レクチャー&アフタートーク開催決定!
●事前レクチャー
本作の舞台美術を手掛けたカミイケタクヤさんをお迎えし、
宮城さん・カミイケさんそれぞれと作品創作経験のある泊篤志さんとともに、
作品について、舞台美術について、創作過程の裏話などを伺います。
○日時:5月20日(日)13:00~(1時間程度) *12:45受付開始
○会場:北九州芸術劇場 アートライブラリー(リバーウォーク北九州5階)
○出演:カミイケタクヤ(美術/舞台美術)
泊 篤志(北九州芸術劇場ローカルディレクター/「飛ぶ劇場」代表)
○申込方法:下記の必要事項を、電話・メールのいずれかでご連絡ください。
〔1〕氏名 〔2〕年齢 〔3〕所属・職業 〔4〕電話番号
*先着順・定員に達し次第受付終了
○件名/申込先:「寿歌」事前レクチャー係(担当・市川、一田)
TEL=093-562-2620 メール=kitageki@ kicpac.org
●アフタートーク
各回公演終了後、アフタートークを行います。
○トークゲスト:
26日(土)宮城聰、カミイケタクヤ、たきいみき
27日(日)宮城聰、奥野晃士、春日井一平
作
北村 想
1952年生まれ。劇作家。独居独身。79年に執筆した『寿歌』が第25回岸田國士戯曲賞最終候補に選ばれた後、84年『十一人の少年』で第28回岸田國士戯曲賞受賞。90年『雪をわたって…第二稿・月のあかるさ』で第24回紀伊國屋演劇賞個人賞受賞。96年より兵庫県伊丹市のアイホールにて、戯曲講座「伊丹想流私塾」(2017年より「伊丹想流劇塾」と改名、現在は名誉塾長)を開塾、後進の指導、育成にあたる。14年『グッドバイ』で第17回鶴屋南北戯曲賞受賞。
演出
宮城 聰
1959年生まれ。演出家。SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督。東京大学で演劇論を学び、90年ク・ナウカ旗揚げ。同時代的テキスト解釈とアジア演劇の身体技法や様式性を融合させた演出で国内外から高い評価を得る。2007年SPAC芸術総監督に就任。自作の上演と並行して世界各地から現代社会を鋭く切り取った作品を次々と招聘、また、静岡の青少年に向けた新たな事業を展開し、「世界を見る窓」としての劇場づくりに力を注いでいる。04年第3回朝日舞台芸術賞受賞。05年第2回アサヒビール芸術賞受賞。
▼コメント
『寿歌』という戯曲がいかに特別なものであるかは、近年まで優れた上演が途絶えないという事実からもじゅうぶん証されていると思います。では僕がその優れた上演史に「錦上花を添える」ことができるかどうか。それはまだわかりません。じゃあ自信もないのになぜ演出する気になったかと言えば、僕は北村想という人のことをあまり知らないなあと思ったからです。
ん?それがなぜ演出する理由になる?
いや、ひどく自分勝手な理由なのですが、「その人のことを知りたいときはその人の戯曲を演出する」というのが、僕が上演戯曲を選ぶ際のいちばんの動機だからです。『寿歌』を演出すれば、北村想という人の、ものの考え方とか、外界との距離の取り方とか、生理とかがわかってくるんじゃないかと思います。いま僕はそれを知りたいんですね。今を乗り越えるために、それを知りたい。
いかがですか?ご一緒に、このプロセスを、たどりませんか?
美術
カミイケタクヤ
「移動」の時間や景色や言葉などの中より遭遇、経過、喪失などを模索。
主には美術(インスタレーション、平面作品など)と舞台美術(演劇、ダンス、サーカスなど)を制作。
近年では木ノ下歌舞伎、東京デスロック、サンプル、Nibroll、山下残などの舞台美術を手掛け、注目を集めている。
その他にWS、ライブパフォーマンス、ダンス作品の演出、小屋製作など幅広く活動をしている。
出演
SPAC/奥野晃士、春日井一平、たきいみき
お問い合わせ
北九州芸術劇場
TEL 093-562-2655(10:00~19:00)
備考
主催/(公財)北九州市芸術文化振興財団
共催/北九州市
「寿歌」特設サイト