DDWのラストを飾るスペシャルなダンス公演
ダンスダイブウィークのラストを飾るのは、国内外で活躍するダンサーによるスペシャルな即興ダンス公演。
圧倒的なHIPHOPの技術をベースとしながら、既存のスタイルに留まらない独自の表現方法で各方面から高い評価を受けるKENTARO!!が登場!!音楽家にはサイケデリックながらも透明感のある緻密な音作りで日本の音楽シーンを牽引する大阪のベテランバンド・渚にて、音楽プロデューサーやリミキサー、DJなど多彩な才能で国内外に活躍の場を広げる福岡在住のOlive Oilとジャンルの異なる音楽家を日替わりで迎えます。
その日その空間その瞬間でしか生み出せない注目のダンサーと気鋭の音楽家によるスペシャルダンスセッション、どうぞお見逃しなく!!
出演
《23日》
ダンス:KENTARO!!(東京ELECTROCK STAIRS)
音楽:渚にて〈大阪〉
《24日》
ダンス:KENTARO!!(東京ELECTROCK STAIRS)
音楽:Olive Oil〈福岡〉
プロフィール
KENTARO!!
ダンスカンパニー 東京ELECTROCK STAIRS 主宰。HIPHOPを中心としたストリートダンステクニックをベースとしながらも、スタイル化されたものから離れた視点で感性を表現。国内外でダンサー・振付家として幅広く活動し、ソロ・カンパニー共に高い評価を得ている。また自身で音楽も作り、創作では言葉と共に作品に反映させている。2008年横浜ダンスコレクションR「若手振付家のための在日フランス大使館賞」、トヨタコレオグラフィーアワード2008「オーディエンス賞」「ネクステージ特別賞」受賞。2010年「日本ダンスフォーラム賞」を受賞。2017年末にはシアタートラムでのカンパニー新作、2018年には海外ツアーを予定している。
http://www.kentarock.com/
渚にて〈大阪〉
坂本慎太郎氏が2014年のベスト3アルバムに選んだ名盤『遠泳』から2年余り、9枚目の新作『星も知らない』を今年1月に発表した「渚にて」。デビュー21年目となるバンド史上、初の試みとなるダンサーとの共演をDDWにて敢行!
渚にてオフィシャルサイト http://www.eonet.ne.jp/~org-records/top2.html
facebook https://www.facebook.com/nagisanite
Pヴァインレコード http://p-vine.jp/news/20170110-104100
Olive Oil〈福岡〉
南の楽園を夢見る男。クリエイター集団OILWORKSの音楽プロデューサー、リミキサー 、DJ。南国生まれ。7月に沖縄のRITTOをフルプロデュースしたアルバム”アブサン”をリリース。世界中から作品を発表し国内、海外ツアーを含めOILWORKSの世界観を発信し続けている。
http://www.oilworks.jp/
出演者動画
インタビュー:KENTARO!!
―2組の音楽家を選んだ理由を教えてください。
2日間で違うアーティストと一緒にできるという話をもらって、まず1組はバンドでいきたいと思った。ダンスをするならボーカルのないバンドが良さそうな気もするんですけど、そこをあえてボーカルありで選んでみました。渚にては、周りに流されずきっちりと長く活動しているところがすごく良くて、もっと沢山の人に聴かれるべきという気持ちがあった。
あとは、渚にてのマスタリング等を中村宗一郎という人がやっているのですが、僕がCD(「誰かの思い出」)を出した時も、その中村さんがマスタリングをしてくれたという関係性もあって、きっと好きな音や傾向も似ている気がしていたというのも理由です。
Olive Oilは、もともと僕の好きなラッパーのプロデュースをしていて、かっこいいなと思いながら聴いていました。いま日本でHip Hopのトラックをつくる人の中でもトップクラスのアーティストだと思うし、聴いたらOlive Oilの曲だ、とわかるような個性がある。
それから、彼の音楽はBPMが割りと遅めのビートが多いのですが、通常そのテンポだとダンスは限られてしまう。その踊りにくいテンポにあえて挑戦してみたいと思って選びました。
―KENTARO!!さんにとって即興とは?
即興はラクなんです。振りが決まっていると間違えることも出てくるけど、即興はそれがないので(笑)。僕が定期的に即興で踊っているのは「今の身体を残す」というのが目的で、そのために映像にして残しています。日々のトレーニングとして、テクニックの確認みたいな意味でも毎日やってるけど、お客さんがいる前で即興で踊ると、アドレナリンが出て、追い詰められて、身体もキレてきて、新しい踊りが出てくる瞬間がある。100回に1回ぐらいですけどね(笑)。今回の公演では、60分あるので10分ぐらいはそんな瞬間が出てくることを目指して頑張ります。
―音楽をどう感じながら踊っていますか?
リズムに反応したいと思っている。2秒ぐらい聴けば、そのリズムでいくらでも踊れます。でも、僕にとってBPMというのは呪いみたいなもので、絶対に音を取っちゃう、合わせようとしちゃう。でも合わせることで、ダンスが荒くなるという面も出てくる。そこで、音楽を聴かないという方法を選ぶこともできるけど、僕は自分で音楽を作っているということもあるので、やっぱり音楽に合う方法を探りたい。見ていて気持ちのいい音の使い方というのがあると思うので、そこを目指したい。
今回は、自分が作った曲ではなく、好きなアーティストとのコラボなので、単純に「音楽聴きたいな」という気持ちも強い。音楽を新鮮に楽しみながら、反応していきたいですね。
―60分間、どんな構成になりそうですか?
時間軸を作るというか、時間の経過を意図的に用意したいと思っている。例えば、曲とは関係なく5分ごとに照明が変化するとか。その方が、舞台上で起こっていることが独立して見えてくる気がしています。ちなみに、最後だけはグッとくる選曲にしようを考えています(笑)。最後ってやっぱり大事なんで。
あとは、素舞台で何もないところで即興をするのではなく、美術と音楽と照明、いろんな要素によってどんどん変化していくダンスをみせたいと思っています。お客さんも、その変化を楽しんでもらえるのではないかと。だから、2日とも観てもらいたいですよね!音楽が変わることで、こんなにダンスも変わるのかという部分を楽しんでもらえたらいいですね。
インタビュー:渚にて(柴山伸二)
―KENTARO!!さんの印象について。
お会いしてみたら意外と物静かで、透明感のある人だなと思いました。
作品映像も観せてもらいましたが、激しいダンスばかりのではなくて、わりとスタティック(静的)な印象というか、ゆるやかなダンスも踊るんだなと感じました。そういう面で、渚にてもあまりダンサブルで激しい曲はなくて、流れのゆったりしたリズムの曲が多いので、KENTARO!!さんのダンスと共通性はあると思いましたね。だから、上手く行くんじゃないかと勝手に期待しています。
―ダンスとのコラボレーションで楽しみなところは?
渚にてがやっている“演奏”という行為も、歌いながら楽器を弾くという意味で「ダンス」の一種と言えるかもしれないと思います。ずっと静止したまま演奏するわけではなく、ノッてきたら身体も動かしますし、脚でリズムをとったりもする。そういう意味でダンスも音楽も地続きで、一体化するものだろうと思います。なので今回の企画は、今までなかったのが不思議なような気もしますね(笑)。
公演では、演奏とダンスがお互いに引き立て合うようなヴァイブレーションが生まれたら最高だと思います。でも、あえてそれは意識しないで、普段どおりに力まないで演奏したいと思います。あんまり狙うと、コケることがあるから(笑)。そのあたりも即興の1つで、出たとこ勝負でいきたい。音楽もそういうところがあって、同じ曲を演奏しても場所とか季節が違うとテンポが速くなったり遅くなったりするんです。決まった歌詞とメロディでも、そこには常に即興性というものがある。バンドのメンバー同士でも、お互いに影響されて変化する部分が非常に大きいので、KENTARO!!さんのダンスとどう影響し合うことができるのかがとても楽しみです。
インタビュー:Olive Oil
―KENTARO!!さんの印象について。
イケメン。そして、たぶん変態(笑)
というのも、さっき音楽の話をしていたら自分の別名義のSOLOAL-ONE(ソーラーワン)を聴いていると話してくれたんですよね。それはあんまり普通の音楽ではない内容なんですけど、すごく好きだと言ってくれたので「あぁ、この人は変態かもな」と思って(笑)。
踊っているところを観た印象としては、この人はきっと永遠に踊り続けられるんだろうな、と思った。型にハマってないし、そういうところはちょっと自分の音楽にも近いのかなと思いましたね。僕の音楽も、Hip HopだけどHip Hopではない。彼も、ダンサーなんだけど、みんなが思っているようなダンサーではない、というイメージ。
―ダンスとのコラボレーションで楽しみなところは?
今回は、ダンスとの即興のコラボということで、ありものの音楽を使うところもあれば、本当に即興で音を作っていくところも用意しています。なので、ずっと一定なわけではない。ずっと何かが変化しているような空間になる気がしています。見どころとしては、ダンスと音を楽しむのはもちろんのこと、「空間」とか「間」とかが面白くなるんじゃないかなと思います。
あとは「駆け引き」とか。ラッパーと組んでやるときも「駆け引き」みたいなものはあって、わざと1拍ずらしたりします。でも、今回はダンスだからもっと自由ですもんね!10拍ぐらいずらしちゃおうかなと思ってます(笑)。みんなが「アイツ大丈夫か?」と心配するくらいぶっ飛んでもいいかもしれない。自分から仕掛けるだけではなくて、KENTARO!!さんのダンスに影響されてどんどん音楽が変化していくこともあると思います。そんなところが楽しみですね。
お問い合わせ
北九州芸術劇場
TEL 093-562-2655(10:00~19:00)
備考
主催/(公財)北九州市芸術文化振興財団
共催/北九州市
助成/平成29年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
企画・製作/北九州芸術劇場